2021年 第16回サイバーフォーミュラGPXはハヤトの圧勝で幕を閉じた。もはや向かうところ敵なしの王者ハヤト。ハヤトと戦いたいからこそ、加賀は昨年の「アルザード事件」から出場停止処分を受けていたアオイにとどまり、その時を待っていたのだった。しかし事態は予想以上に深刻で残酷なものだった。出場停止処分が解けるとは言え、これまでの成績や事件のイメージダウンからアオイの経営は瀬戸際状態。オーナーに復帰した今日子はニューマシンの開発費を捻出しようとするが、レース事業そのものに懸念を抱く理事会は予算外の資金投入を拒否。今期、タイトルが獲れなければ撤退すると宣告する。ライバルチームがニューマシン開発を急ぐ中、開発中断されていた一昨年のエクスペリオンを持ち出さざるを得なくなるが、一年間耐えてきたスタッフや加賀も集合し、闘志をみなぎらせる姿を目の当たりにすると、今日子は何も言えなくなってしまうのだった。 そして、第17回サイバーフォーミュラWGPXが開幕。GIOと提携して一段と強くなるスゴウ。マシンデザイナーに専念するべくドライバーを引退したハイネルのシュトルムツェンダーも驚異のニューマシン「シュピーゲル」を投入し更なる強敵に変貌していた。しかし一昨年のマシンで挑む加賀は、ZEROの領域に入ってすら惨敗を喫してしまうのだった。第1戦を苦戦で終えた加賀の前に名雲が姿を現す。