正治がお里ヶ淵で目玉の白濁した奇妙な鮒を釣り上げてきた。実はこの鮒には由来となる悲しい伝説があるという。このお里鮒は、かつての戦乱で両目を失い、許婚との縁談も破談…そんな絶望の中で淵に入水して命を散らした村娘、お里の生まれ変わりがこの目の白いお里鮒なのだというのだ。鮒の目を治したいという三平の願いは、やがてこの淵の水質の秘密に迫ってゆく。