海上保安庁に「潜水特殊捜査隊」、通称「DCU」が発足した。DCU設立の目的は、島国日本において海や河川で発生する事件の解決や、水際からやってくるテロなどからの防衛。いわば水際捜査に特化したエキスパート集団だ。隊長となったのは、50歳を迎えた新名正義(阿部寛)。メンバーには、海保のエリート・西野斗真(高橋光臣)、女性初の潜水士となった成合隆子(中村アン)らがいた。そして過去に水難事件で新名に命を救われた瀬能陽生(横浜流星)の姿も。DCUは海上・水中だけではなく陸上の捜査権限も与えられることになったのだが、そのことが警察関係者との間に溝を生んでいた。そんなDCUが発足と同時に捜査に向かったのは、群馬県のダム湖。数日前に上陸した大型台風によりダム湖内の水流が変わり、ある人物の頭骸骨の破片が発見されたのだ。警察には手が出せない水深100メートルというダム湖の水底を新名たちが潜水捜査すると、そこには思いもよらない景色が広がっていた。
新名(阿部寛)と瀬能(横浜流星)のわだかまりが解けぬまま、新たな事件が発生。DCUのメンバーは変死体が発見された北能登の港へと向かう。殺害されたのは密漁者と戦う地元漁師のリーダーだった。漁師たちが「犯人は密漁グループの連中に違いない」と騒ぎ立てるのを余所に、新名は地元刑事の坂東(梶原善)と共に捜査に乗り出す。現場となった場所には水産物の研究所を建てる計画があり、ロシアから政府高官が視察に来る予定が5日後に迫っていた。5日以内に事件を解決するよう命じられた新名は早速、西野(高橋光臣)たちに日本海に沈む遺留品を探すよう指示を出す。そこへ地元の市議会議員・岡部(古田敦也)が現れ…。一方で坂東と共に陸を捜査する新名と瀬能は、被害者の下で技能実習生として働いていた外国人に聞き込みをすることに。やがて排他的な地元民と外国人技能実習生の実態が浮き彫りになり、事件は思いもよらない方向へと進んでいく。
隆子(中村アン)のミスにより、ロドリゴ・サンチェス(フェルナンデス直行)が被害者のスマホを盗んで失踪してしまう。しかも、サンチェスには治安を脅かすある重大な秘密が隠されていたことがわかった。サンチェスを逃したことで新名(阿部寛)は上から厳しく追及される。さらに、この一件が原因でロシア高官の来日が見送られることになり、隆子は重い責任を感じていた。そんな中、大友裕也(有輝)と聞き込みに出た隆子は、サンチェスと同じ日本語学校に通うマリア・シルバ(エレナアレジ後藤)を見つけ、焦りのあまり彼女に怪我をさせかねない行動をとってしまう。やがて、新名はミスを重ねた隆子を捜査から外すと伝える。しかし、自分の犯したミスを取り戻したい隆子は命令に背き、独り捜査に乗り出す。瀬能(横浜流星)をはじめDCUのメンバーたちも、隆子を励まし密かに協力するが、事態はゆっくりと最悪の方向に進んでいく…。
隆子(中村アン)の殉職に言葉を失うDCUのメンバーたち。新名(阿部寛)は隊長から外され、自宅待機を命じられた。その間は副隊長の西野(高橋光臣)が隊長代理を務めることに。他のメンバーは事件捜査を公安に任せて通常業務に戻るよう指示される。この指示に納得できない瀬能(横浜流星)のもとに公安の清水健治(山崎育三郎)がやってきた。隆子のパソコン内にあったプライベートデータをわざわざ持ってきてくれたのだ。そのデータに違和感を覚えた瀬能は、DCU機動班第一部隊のメンバーとして新たに加わった神田瑠璃(趣里)に解析を依頼する。解析の結果、今回の事件は2年前に起きたある溺死事故に起因している可能性が浮上する。さらに瀬能は、隆子の司法解剖を行なった医師・真鍋宗雄(角田晃広)と、事故が起きた際の機材会社の月島秀樹(六角精児)の元を訪れる。しかし、既に自宅待機中の新名が訪れた後だった。独自に捜査をしていた新名は、瀬能に手を組むことを提案。やがて共に捜査に乗り出す2人だったが、事件は想像以上に混迷を極めており…。
新名(阿部寛)が隊長復帰を果たす中、瀬能(横浜流星)は15年前の事件を再び調べ始めていた。そんな折、国土交通省副大臣の長男・木下裕司(三浦獠太)が海上で行方不明になり、DCUに捜索命令が出された。新名はこれまでの捜査方針を一蹴して新たな指示を出す。すると、間もなく裕司のものとみられるゴムボートが発見されるが、そこに彼の姿はなかった。そして聞き込みで立ち寄ったサーフショップで、瀬能は学生時代の先輩・中林(藤井流星)と再会する。このサーフショップのオーナーだという中林との再会を瀬能は喜ぶが、顧客名簿提出を求められた際に中林が何か細工をしたことを新名は見逃さなかった。捜査が続く中、新名のもとに、裕司は海上で行方不明になったのではなく誘拐されたという情報が入る。副大臣秘書の日村(栁俊太郎)によれば、2億円の身代金を要求されており、また裕司は危険ドラッグに手を出していたという。誘拐も危険ドラッグもマスコミに知られるわけにはいかない。DCUは極秘捜査に乗り出すが、厚生労働省麻薬取締部と公安からの要請で、捜査中止命令が下されてしまう。
心臓病の娘のために那由(明日海りお)がプロデュースした、リモートダイビングVRのお披露目イベントが病院で開かれていた。東都重工と共同開発した技術に大興奮の子どもたち。元カノ・玉井千英(鷲見玲奈)の入院中の息子を見舞った大友(有輝)もこのイベントに参加し、穏やかな時間を過ごしていた。だが事態は一変、海中のリモートカメラが何かに乗っ取られてしまう。同時刻、DCU本部には沖合で一艘の水上バイクが爆発したとの報告が入った。船着場の映像には水上バイクに乗り込む成合(吉川晃司)の後ろ姿が映っており、新名(阿部寛)はなんとか動揺を隠す。爆発物の破片を回収した結果、那由のリモートダイビングVRで使用されているカメラとの関連が発覚。水族館で起こった殺人事件がキッカケで、那由と成合がつながっていることを掴んでいた新名は、再び那由に接触を図る。リモートダイビングVRの開発を指揮し、瀬能(横浜流星)の父を知る笠原英伍(岡田浩暉)にも協力を仰ぎ、捜査に乗り出すDCUメンバーたち。だが、事件は病気の子どもたちを巻き込んだ想像もつかないものへと発展してしまう。
自分の父・陽一(西尾浩行)がテロリストの一味かもしれないと知り動揺する瀬能(横浜流星)の傍ら、新名(阿部寛)たちは成合(吉川晃司)がある総合レジャー施設に潜伏していることを突き止めた。新名は真子(市川実日子)との新婚旅行を装い、捜査のために先に現地入りしていた西野(高橋光臣)と合流。ホテルを営んでいる支配人の戸塚明男(田辺誠一)が、かつて東都重工で陽一の助手をしていたことを知る。そこで、新名が戸塚に研究データの横流しについて尋ねると、戸塚は明らかに動揺した様子を見せる。その直後、西野が何者かに襲われる事件が発生し…。同じ頃、瀬能は新名が持っていた陽一の鍵が何かを調べるため実家に帰省していた。そして一枚の写真からある店に目星を付ける。調査を進めるうちに、瀬能は徐々に過去の記憶を思い出していき…。
来たるG20東京サミットを前に、横浜海上保安部に警備準備本部が設置されることとなった。新名(阿部寛)は人の出入りが多くなるこの機に乗じて、瀬能(横浜流星)に偽物のフロッピーディスクをつかまされた成合(吉川晃司)が本物を奪いに来ると直感。そこで新名は、佐久間(佃典彦)と相談の上で内部の者でも簡単に出入りできない場所にそれらを保管する。一方で、新名は公安の清水(山崎育三郎)から海保内部に内通者がいることを告げられる。その矢先、佐久間から笠原(岡田浩暉)と密に連絡を取り合っている者がいると聞かされた新名は、その名前に驚愕する。そんな中、海保内に緊急事態を知らせるサイレンが鳴り響いた。基地内で爆発物が発見されたというのだ。瀬能の父が残した設計図を巡る攻防戦が始まる…。成合は、どのような手段で新名に挑んでくるのか?そして、裏切り者は誰なのか?