3月22日、藪下依子(杏)は30歳の誕生日を迎えた。いつもの時間に起床し、いつものように日課をこなしながらも、依子はチラチラと鳴らない携帯電話を見る。やがて、自分から鷲尾豊(中島裕翔)に電話をかけて今日の予定を聞くが、大事な商談が入ったため会えないと言われてしまう。気を取り直して、藪下俊雄(松重豊)にかけると、あろうことか俊雄にも振られてしまう。そんな依子を見て、藪下小夜子(和久井映見)は笑い出す。
暇を持て余した依子は、大好きな路線バスに乗り、横浜市内を巡ることにした。すると、谷口巧(長谷川博己)が乗り込んでくる。突然のことにとまどいながらも、隣同士に座った2人はいつものように会話の応酬を始める。しかし、議論が白熱し過ぎた結果、巧が依子の手を踏み、依子の頭が巧の鼻を直撃し、巧が鼻血を出すというハプニングが起こる。そんなとき、依子と巧のことを見ていた上品な老婦人(白石加代子)が声をかけてくる。
やがて、老婦人が誕生日プレゼントだと言って、依子にリンゴを1個手渡して降りていくと、巧の携帯が鳴った。島田佳織(国仲涼子)からだったが、依子と一緒にいると言うと切れてしまう。すると今度は、依子の携帯に佳織から電話がかかってくる。依子が出ると、佳織は谷口留美(風吹ジュン)が倒れたと伝える。慌てた2人は、巧の自宅へと駆け出し…。