藪下依子(杏)と谷口巧(長谷川博己)は、クリスマスイブにデートをすることになった。本来なら、「クリスマスにデート」など受け入れないふたりだが、依子は藪下俊雄(松重豊)と小夜子(和久井映見)の、巧は谷口留美(風吹ジュン)の過干渉に辟易として、イブの直前に約束をする。
デート当日、なぜかサンタクロースの格好をした依子と普段着の巧は、カップルでにぎわう商業施設にやってくる。ところが、巧が高熱を出してしまったためデートは中止となり、依子は巧を自宅まで送り届けることに。
その頃、谷口家はクリスマス会の最中で、留美の美術教室の生徒や、島田佳織(国仲涼子)、宗太郎(松尾諭)らが盛り上がっていた。巧は自室に倒れ込んでしまったが、依子はクリスマス会に参加させられる。
同じ頃、藪下家の俊雄を、鷲尾豊(中島裕翔)が訪ねてくる。一人でいるのが辛いという鷲尾に、俊雄は酒を付き合ってやる。やがて、酔いが回った俊雄は、押し入れからサンタクロースの衣装を引っ張り出す。それを着て幼い依子のサンタクロースになったのか、と聞く鷲尾に、俊雄は依子の幼少時代のエピソードを明かす。
一方、谷口家では、留美が依子に、巧の子供時代の話をしていた。クリスマスが大好きで、サンタクロースの存在も信じ、両親にプレゼントも贈っていたという幼い巧の話を、依子は意外な思いで聞いていた。さらに、留美は、巧が「高等遊民」になったきっかけを話し始め…。