18歳の垣野内逞(野村周平)は、写真館に来ていた。カメラを向ける店主に写真の用途を聞かれるが「何となく」と応え、満面の笑みでピースサインを出した――。 時は遡り、逞が8歳の頃。病院に入院している逞のそばにはいつも、同じ年の女の子・繭(桜井日奈子)がいた。ある日、病室を抜け出して訪れた夜の公園で、逞と繭は夜空を仰ぎながら結婚の約束を交わす。自分たちには未来があると信じて、疑わずに…。 それから7年後。15歳になった逞は、名門・私立紫堂高校に入学。新入生たちに向かって「学園生活をエンジョイしようぜ!」と叫ぶ生徒会長・鈴谷昂(宮沢氷魚)の挨拶に驚く逞だったが、次に新入生代表の挨拶で壇に上がった女子生徒の顔を見て、さらに驚がくする。なんとその女子生徒は、かつて星空の下で結婚の約束をした、幼なじみの繭だったのだ! 全校生徒を前に壇上から大声で「この私から逃げようなんて百万年早いのよ!ぜっっったいに、逃さないからね!」と逞へ向け宣言する彼女は…誰よりも会うのを避けていた大切な初恋の人物なのだった。 隠れて猛勉強してまで自分を追いかけてきた繭に対し、逞は戸惑いを隠せない。泣かせたくない大事な女の子との関係を「せっかく終わりにするって決めたのに」。小さい頃に偶然聞いてしまった自分の命のタイムリミットについての記憶が、逞の頭の中でまたよみがえるが…。