桜田和彦(柳楽優弥)が夢の中のような薄暗い空間を抜けると、そこに横たわっていたのは自身の死体だった。死んで幽霊になったことを理解し途方に暮れる桜田に同じ幽霊の桃山鉄郎(賀谷壮也(かが屋))が「うちに来ないか?」と声をかける。案内されたそば屋で共同生活を送る佐々木咲(川栄李奈)、茶道の大家・千利休(三遊亭好楽)らとともに桜田は幽霊が成仏できる場所へと案内されるのだが……。
桜田の世話を焼いてくれる桃山、口の悪い咲、ギャル風女子高生の小森凛(長澤樹)や茶道の大家・千利休と古いそば屋の2階で幽霊同士のシェアハウスを始める桜田。咲から死に別れた夫と子どもがいることを聞く。さらに夫は咲の生前から不貞の疑いがありスマホで監視していたとも。咲の死後は堂々とその女と会っていると聞いた幽霊たちは、夫の元へ訪れることに。
桃山は売れないスタンダップコメディアンだった。桃山には一緒にネタ作りをしていた友人のトモ(葵揚)がいた。桃山はトモに好意を抱くゲイだった。ある日トモに告白しようとして勢い余って川で溺死。社会人だったトモは桃山の死後その遺志を受け継ぎコメディアンとなっていた。桃山はそのトモのライブを桜田と見に行く。そこで桃山はトモの口から衝撃の事実を聞かされることに……。
桃山が成仏して静かになったそば屋。咲と凛はある学校で起こる怪奇現象のニュースを見ていた。凛は咲に生前の学生時代の話をし始める。当時の凛は親友たちと流行していたパラパラをユーロビートに乗せて踊っていた。ところがある事件をきっかけに親友たちからいじめを受けることになってしまった。そして追い込まれた凛はある決意をする。
凛と咲は幽霊として凛が自殺した母校を訪れ、桜田を呼び出す。遅れて来た桜田に凛は「この学校を覚えてないのか?」と憤る。凛と桜田はこの学校の同級生だった。自殺する直前に桜田と体験した一瞬の出来事を凛は鮮明に覚えていた。それが幽霊として再会した時から桜田に向けられた凛の怒りの理由だった。そこに生前から桜田の追っかけをしていた末續町子(松田ゆう姫)も乗り込んでくる。その時、桜田の取った行動とは!?
凛が成仏したそば屋では千利休が幽チューバーとしてスパイスカレーの動画収録をしている。桜田と咲とすっかりそば屋に居ついた町子の3人で桜田が成仏できない理由を考える。桜田の成仏できない理由は幼くして亡くなった両親が原因では?と予想し、3人で両親との思い出の遊園地へ向かう。そこで桜田が出会ったのは遊園地で地縛霊となってしまった両親だった。
両親との再会でも成仏できなかった桜田に咲は四十九日が最も成仏しやすい日とされると教える。自分の心残りはなんなのか? 桜田はホストクラブで行われた四十九日の会をのぞきに行く。ノリノリのホストたちの中で町子が桜田の弔いに高級酒を注文する。でたらめながらも仲間たちが弔ってくれていることを知る桜田。そして桜田は、どうしても伝えられなかった心残りを咲に初めて明かす。その晩、心残りのなくなった桜田は……。