高校生の清水潤一(城桧吏)は、数カ月前から、身体に異変が起こっていたため母親・和子(明星真由美)と稲生のクリニックを訪れる。稲生が診察したところ、潤一の腰のあたりには若い女がしがみついていた。女は額から血を流し、薄汚れ、眼だけが爛々(らんらん)と輝いていた。それは、潤一に取り憑いた怨霊だった。潤一の身体に起きた異変は、この怨霊のせいだったのだ。怨霊は「私は、潤一君のことが好きで、一度告白した。でも、その後ひどい目にあわされ…私は、学校の屋上から飛び降りて、自殺しました。私は、この男を、決して許しません」と話す。しかし潤一は、自分はそんなことはしていない、と否定。果たして、嘘(うそ)を吐いているのは、人間か、怨霊か?稲生が診察を進めると驚がくの展開に――。
会社員・一ノ瀬美咲(松本妃代)には、かつて親友だった三島麻衣(松村沙友理)の怨霊に取り憑かれていた。麻衣は首をつって自殺したと思われていたが、自殺は真犯人である美咲の偽装工作で、自分は美咲に首を絞められ殺されたのだと、麻衣の怨霊は主張する。しかし、美咲は「自分は殺していない」と反論する。すると、麻衣の怨霊は「美咲が好きだった山本芳樹(近藤雄介)と私が付き合ったから、横取りしたと逆恨みしたに違いない」と、問い詰めた。しかし、美咲は「山本のことは全く好きではなかった」と否定。人間と怨霊の言い分はかけ離れ、平行線のまま。稲生知性(じろう)は診察を続けることを決め、助手の髙橋(中村鶴松)が調査をすることになった。調査を進めると、とある未解決の凶悪殺人事件に行き当たり…果たして、嘘を吐いているのは、人間か、怨霊か――。
不動産会社の営業マン・武田(岡野陽一)には妻と小学生の娘がいるが、最近、妙に事故に見舞われることが多く、腕は階段から落ちて骨折、頭は、突然、壁に飾ってあった絵が落ちてきて負傷。さらに自宅で、女性の幽霊を何度か目にしたという。そんな怪異が続き、神経が参ってしまった武田が、中岡の心療内科クリニックを訪れると、霊障ではないかと疑った中岡は、武田を稲生の元へ連れていく。稲生が診察を始めると、武田の背後に女子高生の怨霊が出現した。しかし女子高生の怨霊はうなり声をあげるだけで話さない。「君は誰だ?」稲生は何度か語り掛けるが、女子高生の怨霊は背後から武田を睨(にら)みつけるだけであった。
平山(大東駿介)は妻に付き添われながら稲生知性(じろう)のクリニックを訪れる。平山は妻・眞砂子(まさこ)と二人暮らしだったが、1年前、部下の田辺葵(たなべ・あおい)と不倫関係に陥った。ほどなくして関係は眞砂子の知るところとなり、泥沼の愛憎劇が勃発した。愛人・葵の電話番号とメールアドレスを夫のスマホから手に入れた眞砂子は、昼夜問わず、執拗(しつよう)に葵を責め立てた。ひどい言葉を書き連ねたメールを何十通も送り付け、聞くに堪えない金切り声を留守番電話に吹き込み続けた。そして、眞砂子が葵を攻撃し始めてから半年後、葵は精神のバランスを崩して、自殺した。すると、妻・眞砂子、そして平山の身体に異常が起き始めたのだった。