江戸に戻った沖田は千駄ヶ谷の植木屋の離れで養生していた。が、姉のお光がつくってくれるご馳走も喉を通らないほど体が弱っている。ときどき仲間がやってきては沖田を励ましてくれるが、誰も来ないときは沖田は一人だ。吹いてくる風と馴染みになった。いよいよ情勢が緊迫し、お光さえも旅立っていく。官軍が江戸に入ったその日、土方が訪ねてきた。そして土方も去り、風行ってしまった。