20年前、ヒトゲノム解読が発表された時、研究者たちは落胆した。遺伝子と考えられる部分はわずか2%で、残り98%はガラクタだったからだ。だが実はこれこそ2%の遺伝子から10万種の異なるたんぱく質を生み出すマジック。サルからヒトへの違いを生み出す進化の原動力でもあったのだ。重要な遺伝子を“変えない”強固な仕組みと、柔軟に“変わる”ことを模索するガラクタ配列。多様性を生み出すしたたかな戦略を妄想する。