「呼吸」それは非効率で不完全な進化をしてきた。魚の「エラ」に比べ、「肺」は酸素を取り入れる効率が悪く、しかもヒトは二足歩行のために口と肺の間に「死腔」と呼ばれる“無駄”まで増やしてしまった。しかし、そのおかげでヒトは言葉を発することができたという。また脳の巨大化は、呼吸が理性と感情との狭間で、アンバランスになりやすいという運命ももたらした。不完全だからこそヒトらしさを生む神秘のシステムを妄想する。