「仮説」とは「その真偽をともかくとして、何らかの現象や法則性を説明するのに役立つ命題」とされている。文明の誕生以来、私たちは見上げた星空の動きや生命の起源など、世界の不思議を読み解こうと思索を重ねてきた。そして19世紀を過ぎてようやく、データを集め、仮説を立て、予測をし、実験や観察によってそれを確かめるという「科学的な」研究方法を手に馴染ませたことで、科学は目覚ましい進歩を遂げることになる。 「仮説」の歴史を紐解きながら、いま注目される最新の仮説を紹介し、科学における仮説とは何かについて考える。