行列のできる焼き菓子の名店『のぐち』の店主・野口功子(秋野暢子)が殺された。死因は背中から胸の大動脈を傷つけられたことによる失血死で、凶器は殺害現場の厨房にあったペティナイフ。レジの金が抜き取られていたこともあり、特捜班は怨恨と物取りの両面から捜査を開始する。 遺体の第一発見者は島崎透(須藤公一)というデパートの営業マン。島崎はデパートの得意客・村岡芳美(三倉茉奈)から『のぐち』を紹介され、功子の作るアップルパイの虜に。以来、デパートに出店してほしいと功子を説得するため『のぐち』に通いつめていたという。 いつもより2時間も早く店を閉めようとしていた功子は、島崎を追い返してすぐ、藤本理沙(木下あゆ美)というパティシエと電話していた。それが最後の電話だと知った浅輪直樹(井ノ原快彦)は衝撃を受ける。ついさきほど妻・倫子(中越典子)からケーキ店『ミヤハラ』で働いていた頃の友人だと、理沙を紹介されたばかりだったのだ! そんな中、理沙が『ミヤハラ』を辞めた後、『のぐち』で働いていたことも判明する。 一方、島崎に『のぐち』を紹介した芳美のもとへ向かった小宮山志保(羽田美智子)と村瀬健吾(津田寛治)は、芳美もかつて『のぐち』で働いており、当時、理沙と芳美のほかに坂出鈴(おりもりお)という弟子がいたことを聞き出す。さらに、理沙と鈴の間には『のぐち』の後継者を巡る微妙な確執があったこともわかり…。 直樹は12年前に何があったのか、そして後継者争いの真相を調べるため、再び理沙のもとへ…。特捜班が時をさかのぼって真相に迫る!