海火子とともに天部界へとやって来たワタルは、修羅童子と覇翔童子によって捕らえられてしまう。そこへ現れたのが天部界の皇子・四天龍王だ。門番たちに命じて「救世主の力」を試した彼は、ワタルたちを麟王に乗せ「龍使いの一族」のもとへと導くのだった。 龍使い村では拳龍降臨の準備が進められていた。「拳龍の勾玉」は1000年に1度、拳龍が地上に降りてくる際に出現するという。今、この場で勾玉を手に入れなければ、創界山は完全に魔界の手に落ちてしまうだろう。焦るワタルたち。 龍の中の王・拳龍が、ついにその姿を現す。だが、そこに勾玉を狙う閻羅王が襲来し、ワタルに驚くべき事実を告げる。この場所こそ、ワタルの故郷だというのだ! そのとき、拳龍の体がまばゆい光を放ち、白龍――拳龍の子供が誕生した。拳龍の眼からこぼれた涙が、勾玉となってワタルの手に落ちる。だが、せっかく手にした「拳龍の勾玉」は閻羅王によって破壊されてしまった! ガックリと肩を落とすワタルに、長老が勾玉と救世主の秘密を明かす。1000年に1度、勾玉によって拳龍子は生まれ変わり、次の救世主の役割を果たすという。そして、ワタルこそが現在の拳龍子だったのだ。ワタルの中に宿る「拳龍の勾玉」を使えば、神部界を救えるかも知れない。 ワタルを励ますかのように、白龍馬に乗った虎王が姿を見せる。四天龍王も快く麟王を貸し与えてくれた。2頭の天馬にまたがり、ワタルたちは神部界へと帰ってゆくのだった。