東都先端物質学研究所の研究員の裏切りにより、ビルドが研究所から離れた場所におびき出された隙に、驚くべき作戦が実行されようとしていた。 ファウストによるパンドラボックス強奪作戦だ。 東都の首相補佐官であり、ナイトローグというファウストを統率する立場でもある氷室幻徳の指揮のもと、ブラッドスタークによって作戦は遂行される。 戦兎から連絡を受けた龍我も研究所に向かうが、その前にはスマッシュが立ちはだかる。 一方、戦兎には研究所員が遺した言葉が引っかかっていた。 「葛城巧は生きている―――」未だ正体不明のファウストの刺客。 彼こそが葛城なのではと疑った戦兎は、パンドラボックスを奪い去ろうとするブラッドスタークにその疑問を投げかけて―――。
桐生戦兎 / 仮面ライダービルドと万丈龍我 / 仮面ライダークローズは、スマッシュの目撃情報を受けて現場へ向かうが、そこにこの世界には存在しないはずの新種のバグスターウイルスネビュラバグスターが現れる。戦いの中、龍我は謎の戦士カイザーが操る装置エニグマによって並行世界へ転送される。 龍我が転送された先はスカイウォールが存在せず、宝生永夢 / 仮面ライダーエグゼイドたちが存在する世界だった。エニグマの起動によって、ビルドの世界の地球にエグゼイドたちの世界の地球が送り込まれ、24時間後には2つの地球が激突し、どちらとも消滅するという状況に陥る。並行世界の存亡を脅かす危機に戦兎はレジェンドヒーローたちと力を合わせながら、衝突を阻止しようと試みる。
氷室幻徳が東都政府首相補佐官になる3年前、軍事力強化のため、学生時代からの友人で首相補佐官の布袋幸司に軍備増強を進言するが、平和主義で軍備に否定的であった布袋はそれを断る。そんな時、ある研究員が人体実験を行おうとしていることを聞いた幻徳は、その研究員・葛城巧を解雇処分にして、人体実験を秘匿するため、難波重工でネビュラガスの研究に就かせる。その一方で石動惣一は、幻徳がネビュラガスによって生物兵器を作ろうと目論んでいることを知る。布袋は幻徳の父である東都首相・氷室泰山から彼の後任となったことを幻徳に明かし、他の首都にパンドラボックスを明け渡すことで東都を平和な国に造りかえようとしていた。だが、布袋は惣一によって暗殺され、幻徳はこれが自分が望んでいたことであることを悟ると『ファウスト博士』の名前を冠した「ファウスト」と呼ばれる組織を創設し、「過去の自らの血を熱い野心によって蒸発させる」という意味の「蒸血」の掛け声でナイトローグへと変身する。
昏睡状態から復活した泰山によって東都を追われた幻徳は難波重工西都中央研究所を訪れ、自分がトカゲの尻尾切りにした元部下の内海に土下座までして仮面ライダーになるためのネビュラガスの人体実験を請う。しかしすでに西都の仮面ライダー候補は鰐淵に決まっており、幻徳はネビュラガス実験の被験者でハザードレベルの満たない者たちのいる房に収容される。そこで収容者たちから幻徳は連日暴行を受け、瀕死の状態になったため死体安置所に出されるが、そこで彼を助けたのはかつて自らが潰したファウストを追われた元研究員たちであった。スタークと内海が研究室を不在にしている間に幻徳は鰐淵を瀕死の重傷に追い込み、自らを仮面ライダーの新たな候補として認めさせる。
悪魔の科学者であり仮面ライダービルドのシステムを創った葛城巧の記憶が、戦兎に甦った。 巧は、ビルドに60本のフルボトルの力を集中させる“究極”とも呼べるアイテム・ジーニアスフルボトルの発明に成功した。 だが、巧の精神のままではビルド・ジーニアスフォームは覚醒しなかった。 桐生戦兎として重ねてきたビルドの日々と、周りの人々に対する戦兎の想いが甦った時、ビルドは初めてジーニアスフォームへと変身を遂げた。 ジーニアスフォーム誕生はエボルトにとっても予想外の展開だった。 ところが、エボルトは既に次の作戦にうつっていた。 一海が持っている三羽ガラスの遺品(キャッスル・クワガタ・フクロウ)のロストフルボトルを奪おうと、突然エボルトが一海を襲撃して―――。
その私服のセンスから美空にnascitaを追い出された幻徳は、戦兎から強化アイテムのプライムローグフルボトルを渡される。だが、美空との約束を忘れていた幻徳は、半ば強制的に服の買出しに連れ出されるが、そこで亡くなった父の形見の革ジャンを着た少年・名波翔に出会う。そんな中、東都にエボルが出現し、戦兎の持つジーニアスを手品で缶からに変え優勢に追い込む。エボルの攻撃から翔の母親・裕子を助けた幻徳は、翔を勇気付けると、戦兎のビルドドライバーとプライムローグフルボトルを用いて仮面ライダープライムローグへと変身する。翔の声援を受け、幻徳はエボルを退却に追い込んだ。その後、幻徳は改心した翔から革ジャンを譲り受けるが、エボルの攻撃によって破損したプライムローグフルボトルの修理には1ヶ月を要するのであった。
クローズチャージとグリスの決闘の最中に北都三羽ガラスが乱入する。一海はそれを反則だったとして、詫びにクマフルボトルとテレビフルボトルを龍我に渡した。その後nascitaに戻ると北都から一海たちの助っ人に来たという生方 直進(うぶかた まっすぐ)という男が店内にいた。直進は戦兎からボトルを強奪すると、美空を人質にとる。「カシラ(一海)に恩がある」という直進はアイススマッシュへと変身する。戦兎もビルドとなって応戦するが歯が立たず、美空からクマフルボトルとテレビフルボトルを受け取りクマテレビフォームとなって応戦、アイススマッシュを破った。 そこにグリスが現れビルドと決闘が始まるが直進に制止される。その時テレビハーフボディのテレビからてれびさんが直進の過去を映し出した。直進はかつて北都で祖母の生方 喜三代(うぶかた きみよ)と2人で農業を営んでいたが祖母が農作業中に心臓の痛みを訴えて倒れ、病院へ連れて行こうとするが北都政府の兵に制止されてしまう。そこに一海が現れ兵を薙ぎ倒し、なんとか祖母を病院へ送り一命を取りとめたことができたという過去があった。それ以来一海に心酔した直進は彼らの仲間となるため、「戦場へ向かう覚悟の表れ」として名前入りのドッグタグを持参し、東都まで追ってきて、一海がボトルを回収していることを知った直進は、彼に恩を返すため、スマッシュになったのだった。それを知った戦兎はクマフルボトルとテレビフルボトルを直進に渡し、祖母の下に帰るように伝えた。それを承諾した直進はボトルを一海に返し、代わりに自分のお守り代わりであったドッグタグを一海に渡すのだった。
愛と平和のために桐生戦兎 / 仮面ライダービルドがエボルトと激闘を繰り広げている中、伊能賢剛率いるブラッド族が暗躍を始める。東都、西都、北都の都知事になったブラッド族はエボルトに代わって地球滅亡を企み、邪魔なビルドを倒すためにビルド殲滅計画を始動し、日本の全国民を洗脳して暴徒化させてビルドを襲わせる。それにより、戦兎の仲間である石動美空と滝川紗羽も敵と化したうえ、猿渡一海 / 仮面ライダーグリスと氷室幻徳 / 仮面ライダーローグも捕まったばかりでなく、戦兎の相棒である万丈龍我 / 仮面ライダークローズもブラッド族の手先になってしまう。 龍我が戦兎を倒してハザードトリガーを手に入れると、伊能は仮面ライダーブラッドに変身し、パンドラボックスをも手に入れようと画策する。 史上最悪の危機に、ビルド最後の実験が始まる。
高校生活を過ごす常磐ソウゴ / 仮面ライダージオウを明光院ゲイツ / 仮面ライダーゲイツとツクヨミが追いかけていたが、ソウゴは記憶が混濁しており、普段とは異なる人格になっていた。その途中、アナザーデンライナーが墜落、その中からアナザー電王が出現した。しかし、正気を取り戻したソウゴはゲイツと共にアナザー電王に立ち向かう。 同じころ、1人の少年シンゴを襲うアナザーWに桐生戦兎 / 仮面ライダービルドと万丈龍我 / 仮面ライダークローズが応戦。その途中、前の世界の記憶を失ったはずの猿渡一海 / 仮面ライダーグリスと氷室幻徳 / 仮面ライダーローグが加勢する。しかし戦いの後、幻徳は突然戦兎たちのことを、ツクヨミはソウゴたちのことを忘れてしまった。 一方、ソウゴは仮面ライダーが大好きな少年、久永アタルと出会う。アタルは謎のイマジン、フータロスと契約していた。 そのころ、アナザー電王、アナザーWを裏で操っているスーパータイムジャッカーのティードは暗躍を始め、戦兎を洗脳し、ジオウとクローズが対処している間にグリスを倒し、シンゴを連れ去ってしまう。 シンゴが敵の手に落ち、一海も負傷した絶体絶命の状況の中、アタルは「仮面ライダーは、現実の存在じゃない」という衝撃の事実を、戦兎とソウゴに伝えるのであった。
新世界にエボルトの兄であるキルバスが襲来し、かつてエボルトに奪われたパンドラボックスを取り戻そうとする。その最中で、猿渡一海 / 仮面ライダーグリスたちはかつての記憶を取り戻すが、万丈龍我 / 仮面ライダークローズの前にクローズの記憶を持つ馬渕由衣が現れる。