東都先端物質学研究所の研究員の裏切りにより、ビルドが研究所から離れた場所におびき出された隙に、驚くべき作戦が実行されようとしていた。 ファウストによるパンドラボックス強奪作戦だ。 東都の首相補佐官であり、ナイトローグというファウストを統率する立場でもある氷室幻徳の指揮のもと、ブラッドスタークによって作戦は遂行される。 戦兎から連絡を受けた龍我も研究所に向かうが、その前にはスマッシュが立ちはだかる。 一方、戦兎には研究所員が遺した言葉が引っかかっていた。 「葛城巧は生きている―――」未だ正体不明のファウストの刺客。 彼こそが葛城なのではと疑った戦兎は、パンドラボックスを奪い去ろうとするブラッドスタークにその疑問を投げかけて―――。
悪魔の科学者であり仮面ライダービルドのシステムを創った葛城巧の記憶が、戦兎に甦った。 巧は、ビルドに60本のフルボトルの力を集中させる“究極”とも呼べるアイテム・ジーニアスフルボトルの発明に成功した。 だが、巧の精神のままではビルド・ジーニアスフォームは覚醒しなかった。 桐生戦兎として重ねてきたビルドの日々と、周りの人々に対する戦兎の想いが甦った時、ビルドは初めてジーニアスフォームへと変身を遂げた。 ジーニアスフォーム誕生はエボルトにとっても予想外の展開だった。 ところが、エボルトは既に次の作戦にうつっていた。 一海が持っている三羽ガラスの遺品(キャッスル・クワガタ・フクロウ)のロストフルボトルを奪おうと、突然エボルトが一海を襲撃して―――。