放送500回目の節目を飾るのは、日本の国鳥「キジ」。 光沢のある羽と長く伸びた尾羽を併せ持つ美しい姿と、世界で日本にしかいない珍しさから国鳥に選ばれた。おとぎ話「桃太郎」で、桃太郎のお供として鬼退治に大活躍するなど、日本人には昔から馴染み深い鳥だ。 実際のキジも美しいだけでなく、とても勇猛果敢な鳥だ。春の繁殖期になると、オスは甲高い声で頻繁に鳴いて自分の縄張りを主張。他のオスが縄張りに侵入しようものなら、大バトルが勃発!ケヅメと呼ばれる鋭い突起を持つ足で跳び蹴り攻撃、さらにクチバシで相手の羽をむしり取る。一瞬の間に、キックとクチバシの連続攻撃を繰り出して徹底的に打ちのめす。オスの気性の荒さは折り紙付きで、なんと縄張りを通りかかった人間をもライバルと見なして襲い掛かるほどだ。 やがて縄張りにメスがやって来ると、オスは体を傾けて美しい羽を見せつけ、尾羽を揺らしプロポーズ。つれない態度をとられても諦めず、1羽のメスに数十回も粘り強くプロポーズを繰り返す。カップルが成立すると、メスは草の中にひっそり隠れて10個ほどの卵を産む。この時、卵を守るメスの秘策が「フリーズ作戦」。オスと違って地味な体色を活かして、敵が近づいてきても巣の中でピクリとも動かない。徹底して目立たないことで敵をやり過ごすのだ。一方、オスは縄張りをパトロールして敵を発見すると警戒音を発し、メスに知らせる。卵を狙うヘビを見つけると激しく攻撃。夫婦が力を合わせてわが子を守るのだ。日本の里山に暮らすキジ。その知られざる素顔に迫る。