舞台は「ほほえみの国」タイの首都バンコク。今、この大都会で異変が起きています。公園に、カフェのテラスに、駐輪場にバス停に、まるで恐竜のような姿の巨大トカゲが姿を現しているのです。正体はミズオオトカゲ、大きいもので全長2mを超えます。周りを人が歩いていようが何のその、巨大トカゲは我が物顔にかっ歩。取っ組み合いの大ゲンカを始めたり、獲物を取り合ったり、やりたい放題です。なぜ街中にこれほどたくさんいるのでしょうか?本来、自然豊かな水辺の環境を好むオオトカゲ。バンコクにはかつて豊かな水辺がたくさんありましたが、近代化とともに激減。オオトカゲの住める水辺は公園など限られた場所しかなくなってしまったため、現在のように密集して暮らすようになったといいます。天敵のワニが少ないため、安心して生きていけるのも大都会のメリットです。公園の水辺でタウナギを捕まえたり、大きなカメを丸飲みしたり、さらに人のおこぼれにもありつけます。オオトカゲは人の営みを巧みに利用して生きているのです。食生活に加えて、住宅事情にも密着。ねぐらは道路脇の排水溝や空き家の中など、こちらも大都会ならでは。人の暮らしのすぐ隣で、したたかに、そしてたくましく生きる巨大トカゲ。その驚きの暮らしに迫ります。