旧ソ連では「兄弟姉妹よ」との掛け声のもと女性たちの愛国心も鼓舞。だが彼女たちを待っていたのは戦後の厳しい差別だった。人間が国家や制度の犠牲になっていく構造とは? 旧ソ連では数多くの若い女性が自ら志願して戦争に行った。その背景にはスターリンによる愛国主義の高まりがあった。男女同権の理念を高らかに歌い上げた旧ソ連では「兄弟姉妹よ!」との掛け声のもと女性たちの愛国心も鼓舞された。だが彼女たちを待っていたのは戦後の厳しい差別だった。男と同じく銃を持って戦ったのに英雄視されたのは男だけ。そればかりか帰還した女性兵士は「戦地のあばずれ、戦争の雌犬め」と蔑視される。