住職を挑発すように嫌がらせを続けるが黙殺される溝口。それは戦後を生きる三島そのものだ。朝鮮戦争勃発の知らせに世界の破滅を予感した溝口はついに金閣寺放火を決意する 溝口は住職とその愛人の芸妓を街頭で目撃し、彼女の写真を住職が読む新聞にそっとしのばせる。それは住職を試す行為でもあったが、住職の振る舞いは全く変わらず黙殺される。その後生まれて初めて女性との行為によって快感に達するが、全く虚無感は去らない。朝鮮戦争勃発の知らせに世界の破滅を予感した溝口はついに金閣寺放火を決意するのだった。第3回は、三島が直面した戦後社会の矛盾や困難を作品を通して浮き彫りにする。