渋沢が明治日本に導入しようとしたのは「合本主義」というシステム。「公益」という目的を明確に打ち立てた上で、人材と資本を集めて事業を推進するという理念だ。 渋沢が明治日本に導入しようとしたのは「合本主義」というシステム。これを渋沢は「封建領主体制」で体験したものを裏返すことで構想した。国家や行政が主導する、人、物、金を社会に循環させ社会を繁栄させるための基盤整備などを通して、「公益」という目的を明確に打ち立てた上で、人材と資本を集めて事業を推進するという理念が「合本主義」なのである。第三回は、渋沢が構想した「合本主義」とは何かに迫る。