業平がよんだ晩年の和歌には、老いや死を淡々と受けとめる軽やかさがある。その裏には、業平流の「かなわぬもの」への対応があった。業平のしなやかな生き方に学ぶ。 業平がよんだ晩年の和歌には、老いや死を淡々と受けとめる軽やかさがある。その裏には、業平流の「かなわぬもの」への対応、運命の受けとめ方があった。彼は人々の情を受けとめる持ち前の包容力と、豊かな和歌の力によって、数々の難局を乗り越えていく。そのしなやかな生き方からは、生きづらい現代を生きるヒントを学べる。第4回は、歌そのものに凝縮された業平の生き方に、苦しい現実を生き抜く知恵を学んでいく。