吉野への取材旅行の中で、主人公やその友人・津村が、伝説・歴史・伝統芸能を通してかいまみることになる「母なるもの」への限りなき憧憬を描く「吉野葛」を読み解く。 吉野への取材旅行の道行きの中で、主人公やその友人・津村が、伝説・歴史・伝統芸能を通してかいまみることになる「母なるもの」への限りなき憧憬を描く「吉野葛」。そこには谷崎が幼い頃から追い求めていた母の存在が立ち現れてくる。果たして人間にとって「母なるもの」とは何か? 第2回は、「吉野葛」を読み解くことで、人間を深いところで縛り続ける「母なるもの」がどんなものなのかに迫っていく。