四国の森に「燃えあがる緑の木」教会がついに設立。集った人たちの力で世界文学や宗教書の引用からなる「新たな福音書」や新しい形の「祈り」が生み出されていく。 四国の森に「燃えあがる緑の木」教会がついに設立。ギー兄さんに寄り添い支え続ける両性具有のサッチャン、父親である「総領事」、地元の有力者・亀井さんなど、多くの人たちが集い始める。彼らの協力を得ながら、古今の文学や宗教書の引用からなる「新たな福音書」や新しい形の「祈り」が生み出されていく。そのプロセスには、大江が続けてきた世界文学との対話の成果が縦横に生かされていた。大江がそこに込めた思想とは?