近代的戦争の起源は「貴族の戦争」から「国民の戦争」へと本質を変えた「ナポレオン戦争」だった。「国民戦争」は制約を越えて、人的、物的に国家財政の枠まで広げられる。 近代的戦争の起源は「貴族の戦争」から「国民の戦争」へと本質を変えた「ナポレオン戦争」にあった。それは騎士階級や傭(よう)兵ではなく自由のために自ら戦争に参加する「国民」に支えられた戦争。これにより従来王家の財政に制約されていた戦争手段の調達は人的、物的に国家財政の枠まで広げられる。その結果、原理的には国家の破綻に至るまで遂行することが可能になる。第一回は、近代的な戦争の本質に迫っていく。