主人公・健三が直面するのは「金銭をめぐる親族たちへの愛着と嫌悪」。それは生涯漱石自身を悩ませ続けた苦悩だった。第3回は「道草」から困難な人生との向き合い方を学ぶ 作家本人の写し鏡ともいえる主人公・健三が直面するのは「金銭をめぐる親族たちへの愛着と嫌悪」。それは生涯漱石自身を悩ませ続けた苦悩だった。漱石は終生悩まされた「胃弱の不快感」と重ね合わせながらそのしがらみを描いていく。どうしようもなく自身をしばり続けた束縛と漱石はどう向き合ったのか。第3回は、「道草」から困難な人生との向き合い方を学ぶ。