善悪の区別は組み合わせ次第だとらえる「エチカ」。その視点から考えると、その人の活動能力を増大させるものが善であり、減少させるものが悪だとみることができる。 「エチカ」の大きなテーマは、生きていく上で善と悪の区別をどうするかという問題だ。たとえば音楽は、人によって善くも悪くも働くことがある。すべては組み合わせ次第であり、そのもの自体に善悪はない。その視点から善悪を再定義すると、その人の活動能力を増大させるものが善であり、減少させるものが悪だととらえることができる。第1回は、スピノザが再定義した善と悪の見方から、私たちの行為の意味を捉えなおしてみる。