パリをふかんするようなパノラマ映像から一気に一個人へズームインしていくような視点の切り替え、生命力がみなぎるような群集シーン。ユゴーの映画的想像力の秘密に迫る。 パリをふかんするようなパノラマ映像から一気に一個人へズームインしていく視点の切り替え、生命力がみなぎるような群集シーン。現代でいえば映画でしかなしえないような描写をたたみかけていくユゴー。圧倒的な想像力で、光と闇、崇高なものとグロテスクなものを対置してユゴーが描き出そうとしたものは人間が背負った「宿命」だった。第4回は彼の圧倒的な想像力の秘密を探るとともに、人間にとっての「宿命」の意味に迫っていく