「ノートル=ダム・ド・パリ」は、時代を超えて人間を貫く「根源的な葛藤」を描いている。だからこそ、誰が読んでも作品の中に自分自身の姿や運命をみてしまうのだ。 「ノートル=ダム・ド・パリ」は、時代を超えて人間を貫く「根源的な葛藤」を描いている。教義によって恋愛を禁じられた神父の許されざる愛。強固な中世の秩序とそこからどうしてもはみ出してしまう人間の欲望。嫉妬が生み出す愛と憎しみの混在。どんな時代でも人間が直面してしまう葛藤が物語を駆動しているおかげで、誰が読んでも、自分自身の姿や運命をみてしまうのだ。第2回は、人間の中の「根源的な葛藤」を読み解く。