幸福を量的なものではなく質的で人格的なものであるととらえなおす三木清の思想には、経済的な豊かさや社会的な成功のみが幸福なのではないという幸福観がこめられている。 三木清は「幸福」という概念を考え抜いた。幸福を量的なものではなく、質的で人格的なものであるととらえなおす三木の洞察からは、経済的な豊かさや社会的な成功のみが幸福なのではないというメッセージが伝わってくる。そして、真の幸福をつかんだときに、人間は全くぶれることがなくなるということもわかってくる。第一回は、三木清がとらえなおそうとした「幸福」の深い意味に迫っていく。