賢治が繰り返し使った「ほんとう」という言葉。「銀河鉄道の夜」や「学者アラムハラドの見た着物」には、そのテーマが貫かれている。「ほんとう」が意味するものとは? 賢治が繰り返し使った「ほんとう」という言葉。古今東西の哲学者や文学者たちが求めてやまない真理を、賢治は「ほんとう」という言葉に込め真剣に考え追求した。「銀河鉄道の夜」や「学者アラムハラドの見た着物」には、そのテーマが貫かれている。にもかかわらず死ぬ間際に自分の人生を「迷いの跡」だと言い放つ賢治。これは何を意味するのか?「ほんとう」に行き着くための「迷い」自体が、彼の貫いた文学の道だという。