「歩く」「食べない」といった日常的行為を通して、人々の中に眠る「内発的な力」を呼びさまそうとしたガンディー。「塩の行進」の意味を「獄中からの手紙」から読み解く。 日常的行為を通して、人々の中に眠る「内発的な力」を呼びさまそうとしたガンディー。その代表的な実践が「塩の行進」だった。わずか数人の行進が数千人もの人々を巻き込むまでのうねりとなったのはなぜか。それは「政治の中に宗教を取り戻す」というガンディーの思想の根幹に関わっている。第一回は、「獄中からの手紙」から「塩の行進」の意味を読み解き、近代人が回避してきた「政治と宗教の本来の関係」を見つめなおしていく。