「悲しみ」や「さみしさ」という感情が幾重にも織りつむがれた複雑なものであることをあらためて感じさせてくれる。そして繰り返されるリフレインはそれらを鎮めてくれる。 中也の代表作「生い立ちの歌」「月夜の浜辺」を読み解いていくと、「悲しみ」や「さみしさ」という感情が幾重にも織りつむがれた複雑なものであることをあらためて感じさせてくれる。そして何度も繰り返されるリフレインは、まるで包み込むようにその「悲しみ」「さみしさ」を鎮めてくれる。中也は、「悲しみ」「さみしさ」をさまざまな言葉でつむいでいくことで、私たちにその感情の奥深さをあらためて教えてくれるのだ。