長谷川泰子との恋、小林秀雄との三角関係、そして別離。その苦悩が中也を詩人にした。「愛」や「喪失」が人間に何をもたらすのか。その苦悩からどんな言葉が生まれるのか。 長谷川泰子との恋、小林秀雄との三角関係、そして別離。その苦悩が中也を詩人にしたともいわれている。切ないまでの恋心、そして別離の哀しさ。あふれ出すような激烈な思いが「ことば」として結晶していくとき、そこに「詩」が生まれるのだ。第二回は、「盲目の秋」「朝の歌」といった中也の詩を通して、「愛」や「喪失」が人間に何をもたらすのかや、そうした苦悩にぶつかったときに生まれる言葉の奥深さを明らかにしていく。