良寛の作品には人や自然への温かいまなざしが横いつしている。それらと心を通わせ全てを豊かに味わい尽くす達人の境地があるのだ。批評眼に貫かれた良寛の風流の神髄に迫る 清貧を貫いたからといって、良寛は決して超俗の人ではない。良寛の漢詩や和歌には、人々や自然への温かいまなざしが常に横いつしている。子供と一緒にまりをつくことに没頭する幸せ、友人と酒をくみかわす楽しさ、質素な暮らしの中でこそみえてくる自然の美しさ。良寛の漢詩や和歌を読み解いていくと、人や自然と心を通わせ、全てを豊かに味わい尽くす達人の境地がみえてくる。第三回は、批評眼に貫かれた良寛の風流の神髄に迫る。