小泉八雲は自らの魂の傷を癒やすものとして日本の古い民話や説話を発見し「怪談」という傑作へと昇華する。それは「開かれた心」を持ち続けた八雲ならではの芸術作品だった 小泉八雲は自らの魂の傷を癒やすものとして日本の古い民話や説話を発見し「日本の面影」の中に採録する。やがて八雲は「再話文学」という方法を使ってそれらを「怪談」という傑作へと昇華していく。さまざまな文化が融合したその作品は「開かれた心」を持ち続けた八雲だからこそなしえた芸術だった。第四回は、「日本の面影」が傑作「怪談」に結実するまでの軌跡を追い、八雲が目指した「魂の理想」を描き出す。