「茶」の極意は老荘思想や禅にある。その根本思想を読み解き、日常茶飯のひとつひとつが修行でありその中に至上の境地を見いだそうとする「茶の精神」に迫る。 「茶」の根本には、老荘思想や禅の影響を受けた「虚(不完全性)」「小さいものの偉大さ」という二つの理念が存在する。人間は不完全であるからこそ完成に向けて無限の可能性が開かれているという老荘の人間観。そして「極小の中に宇宙大の真理が宿る」という禅の思想。その影響から、日常茶飯のひとつひとつが修行であり、その中に至上の境地を見いだす「茶の精神」が生まれたのだ。