日本民俗学の祖・柳田国男の遠野物語を読み解く。遠野物語には、様々な神が登場する。そして神に近く、優れた能力を持つ人々もよく描かれる。第2回では、その意味を探る。 家に福をもたらし、いなくなると不幸をもたらすのがザシキワラシだ。ザシキワラシが消え、一家が全滅してしまう物語では、ひとりの少女だけが助かった。昔、子どもは、神から特殊な能力を授けられているとされていた。子どもだけが助かったのは、そうしたことを暗示していると思われる。その他にも、未来を予見する男など、神と人との距離が近いのが、遠野物語の大きな特徴だ。第2回では、遠野の神と、神につながる人々を描く。