旧約聖書の記述から古代の歴史や人々の営みを読み解くという視点で語る。そして一神教の概念がどのようにして生まれたかを探る。第4回では、ヨブ記などを読む。 バビロン捕囚が終わり、故郷に帰ることができたユダヤ人だが、かつてのように国家を樹立することはできなかった。しかしバビロンという大都会で暮らしたユダヤの人々は、かつてよりも知見を広め、知恵を深めることができた。こうした背景の中で生まれた物語のひとつが、有名な「ヨブ記」だ。そしてその後、キリスト教が誕生することになる。第4回では、苦難の歴史の中、神との関係をどうとらえるか、悩んだ人々の姿を描く。