君主は、非情であってもぶれない決断が大事だと説いたマキャベリの君主論。そこには現代のリーダーにも通じる知恵がつまっている。君主論からあるべきリーダー像を考える。 29歳でフィレンツェの外交官に抜てきされたマキャベリは、さまざまな君主との交渉を行った経験から、政治における決断の重要性を知っていた。43歳の時、外国の介入によるクーデターで政府を追放されると、マキャベリは自らを奮い立たせるように政治論文を書く。それが君主論だ。リーダーは、時に非情であっても、ぶれない決断が大事だと説いた君主論は、道徳論ばかりが語られていた当時では、極めて斬新なリーダー論だった。