孔子は実は遅咲きの苦労人だった。その苦労が、含蓄のある論語の言葉を生み出している。孔子は人生にとって何が一番大切だと言っているのか、その思想の根本に迫る。 “孔子は天才的な人物”と思われがちだが、実は遅咲きの苦労人だった。母1人、子1人で育った孔子は、貧しさのなか、勉学に励んだ。そしてようやく50代になって、大臣にまで上り詰めたが、政治闘争に敗れ、長い亡命生活を送ることになった。こうした孔子の経験が、含蓄のある「論語」のことばを生み出しているのである。孔子は、人生について何が一番大切だと言っているのか。第1回では、孔子の思想の根本に迫る。