タリバン政権時代にはスポーツが禁止されていたアフガニスタンだが、人気のクリケットだけは選手がヒゲを蓄えることを条件に競技が認められてきた。ナショナルチームの監督は、難民キャンプでクリケットをして育ったタージ・マリク。幼少時代から共にプレーに勤しんできた実の弟たちをチームに迎え入れ、2008年のワールドカップ出場を夢見ていた。出場までは4つの予選リーグで勝ち抜き、2位以内の成績を収めるという長い道のりだ。 英仏海峡に浮かぶジャージー島での一次予選。祖国とは何もかも違う人々の暮らしに選手たちは驚きを隠せない。同じ組の対戦相手は、日本、シンガポール、ネパール、そして地元の強豪ジャージー。選手は精神面での弱さを露呈し、監督は国際試合の実戦経験が乏く采配に失敗し、苦戦を強いられるが、持ち味の粘り強さを発揮し、辛くも一次予選を突破する。 初の快挙に喜び、祖国に凱旋する選手たち。しかし情熱をもってチームをまとめ上げてきたタージ監督がまさかの解任。パキスタンから代表経験のある新監督を迎えることになった。果たしてワールドカップ出場の夢は果たされるのか? 原題:Out of the Ashes 制作:Shabash Productions / Bungalow Town Productions (イギリス 2010年)