東京の裏側にある恐怖を描くオムニバスホラー。フリーライターの璃々子(島崎遥香)が元民俗学講師・島野(岡山天音)と一緒に渋谷の路上を歩いていると、何か鮮烈な波動を感じ取る。同じ頃、OLの涼子(倉科カナ)は失踪した母親に会うため、渋谷の地下水路に侵入し、謎の男(佐野史郎)と出会う。
璃々子(島崎遥香)は高校生の由菜(上村歩未)から持ち込まれた心霊写真の撮影場所を突き止めるため、彼女の家がある江東区へ。すると、夢の島公園で強烈な波動を感じ取る。ある日、仲居の伸子(安達祐実)が、愛人である料亭の主人・益子(長谷川朝晴)と共に、大きな荷物を遺棄するため夢の島にやって来る。
璃々子(島崎遥香)は、失踪した娘の澪(桜庭ななみ)を捜す男性・阿久根(小日向文世)と出会う。璃々子は体調の悪い阿久根に代わり、終戦後に造られ、多くの戦犯を弔うための巨大な墓だといううわさもある東池袋中央公園へ。そこで澪を見つけ出すが、澪から自分は阿久根の娘ではないと告げられる。
服飾デザイナーの希恵(壇蜜)は、「お客さん、お台場ってなぜ“お”を付けるのか、知っていますか?」と不思議な問い掛けをする運転手(竹中直人)のタクシーに乗り込む。ところが、その運転手は目的地の六本木に向かわずに夜の港区の各地を転々とする。すると、走馬灯のように、希恵の半生の記憶がよみがえる。
東京・板橋区の一角に、縁切りの効力がある神木として古くから祭られている“縁切榎”があった。開業医の夫・佐竹(小木茂光)の不倫を疑った薫(中山美穂)は、尾行した夫がその縁切榎を訪れ、暗号のような文字の絵馬を残し去っていく姿を見てしまう。縁切榎に“縁”がある薫は、困惑と疑念を増幅させる。
品川区の交番に勤務する木内(白洲迅)は、何者かの視線を感じるように。同時に事件現場にたたずむ不審な女性を何度も目撃する。その女性は璃々子(島崎遥香)だった。そんな中、木内は江戸時代の処刑所、鈴ヶ森刑場跡に入っていく璃々子の後をつけ、話を聞く。すると璃々子は、意外な事件の真相を語りだす。