龍が棲む“龍の国”。神話によれば、ここでは古の人々との契約により、龍は人を助け、人は龍を助けると言われてきた。野ノ子は、人知を超えた力で国を守護する“龍”を虫歯菌から守る新米の“龍の歯医者”。ある日、野ノ子は、龍の歯の上で敵国セルペナーダ育ちの少年・ベルを救出する。戦乱の中で命を落としたベルは、“黄泉帰り(よみがえり)”という現象で生き返ったのだ。自らの置かれた状況に戸惑いながらも、見習いの歯医者として働き始めるベル。思いがけず、ベルが“後輩”となったことで意気込む野ノ子。しかし、“黄泉帰り”は、大きな異変の前兆だったのだ…。やがて、虫歯菌“天狗虫”に蝕まれた龍の歯は、地上に落下。それを追って野ノ子とベルは、戦乱真っ只中の地上へ降り立つ。2人を追うセルペナーダの傭兵たち。そして、腕利きの歯医者でありながら、天狗虫に取り憑かれ、姿を消した柴名も現れる…。