任期半ばで政権放棄、そんな無様な総理大臣を二代続けて出し、民政党の支持率は、歴史に残る低迷を記録。戦後三度目の政権交代が危ぶまれる、どん底の危機の中で総裁選に立候補した武藤泰山(遠藤憲一)は、民政党のドン・城山和彦(西田敏行)の力を借りて、ついに内閣総理大臣の座を手にする。 赤坂の高級クラブで長年の盟友、狩屋孝司(金田明夫)と公設第一秘書の貝原茂平(高橋一生)と祝杯をあげる中、貝原だけは泰山の息子・翔(菅田将暉)が事件を起こして足を引っ張らないよう釘を刺すのだった。 地位と権力にしか興味がなく、家庭を顧みない泰山に嫌気がさして、大学生になると自宅に寄り付きもしなくなった翔は、とある無国籍で猥雑な町にある『キッチンやみくも』に居候していた。そこを訪ねた泰山は、裸同然の女と手を握り合っている翔の姿を目にする! 総理大臣になったことを告げてもたいした興味も示さない翔に「事件だけは起こすな」と釘を刺し、『キッチンやみくも』をあとにする泰山だった…。 翌朝、泰山のもとに経済産業大臣・江見が失言をしたという報告が入る! その日の予算委員会は「中小企業の社長は、企業努力が足りないんだバカヤロー」という江見の暴言で持ちきりに。城山からは「一度坂を転げ始めると、驚くほど速い。江見は辞任させろ」とプレッシャーをかけられ、泰山は困惑する。そして痛んでいた奥歯がさらに痛み始めたその時…! 一方、翔は『キッチンやみくも』にやってきた怪しい男と対峙していた。どうやら店主の闇雲渡(原金太郎)には借金があったようで、その返済が滞