マキ(谷村美月)はイギリスから一時帰国中のピアニスト、桐嶋美響(松山愛里)から15年前に母親と離婚した父親、神崎隆一(浅野和之)に、自分の代わりに娘として会って欲しいと依頼される。最近、美響は会いたいと神崎から頻繁に連絡を受けていた。3年に1度の国際コンクールを控える美響。優勝すれば世界デビューも夢ではなく、この大事な時期に神崎に心を乱されたくないので、縁を切って来て欲しいとマキに頼む。マキは父親なら娘が本物か偽者か、すぐにわかると心配するが…。
マキは美響として神崎の自宅を訪ねるが、神崎はマキを偽者だと気付かない。昨年、神崎は視力を失っていたのだ。神崎はマキを歓迎するが、家政婦の佐藤伸子(緒川たまき)は会う約束を一度破ったマキを非難する。先週の金曜日、美響は神崎と会う約束をしていた。伸子はマキに、神崎が好きなショパンのノクターンを弾いてもらおうと言い出す。ピアノが弾けないマキは動揺が、ピアノの調律が狂っていると咄嗟に言い訳を思いつき、弾く事を回避する。
マキは音大出のミネコからオルガンでバイエルを教えてもらい必死で練習をする。神崎の気持ちに応えられる娘を演じ、縁を切るまでの過程を良い思い出にしてあげようと考えていた。だが、それを聞いた美響は思い出なんていらないと言い放つ。美響はむしろ思い出を消したいと望んでいた。翌日、美響はピアノが弾けなくなった事をマキに打ち明ける。美響はピアノに向かうと神崎の事が頭を過ぎって演奏できなくなっていた。美響はどうすれば元通りピアノが弾けるようになるのか、わからず苦しんでいた。マキ