『世界の全てを捨て、我らの箱庭に来られたし』――謎の招待状を受け取った瞬間、逆廻十六夜、 久遠飛鳥、春日部耀は、異世界へと召還されてしまう。そこに現れたウサ耳少女の黒ウサギは、 3人には神魔の遊戯“ギフトゲーム”に参加する資格と能力があると言うのだが……。
黒ウサギの所属するコミュニティへ参加することになった十六夜たち。だがそこは、象徴たる名も旗も失われた「ノーネーム」だった。黒ウサギはリーダーのジンと共に、十六夜たちの能力を調べるため、最大手のコミュニティの幹部である白夜叉のもとを訪れる。
東地区の大半を牛耳るコミュニティ「フォレス・ガロ」。そのリーダーであるガルドとのギフトゲームを明日に控える飛鳥や耀たちは、緊張をほぐすため、お風呂での語らいに花を咲かせる。その一方で、猛々しい獣人の群れがノーネームの本拠地に近付きつつあった。
かつて「ノーネーム」の仲間の一人だった吸血鬼・レティシアが十六夜の前に現れる。箱庭世界の理も知らず、コミュニティの再建は無謀だと、異世界からの来訪者を止めに来たのだった。その不安を払拭させる手段が一つだけあると、不敵に笑む十六夜だったが……。
「ペルセウス」のリーダー、ルイオスは、ジンたちが望むものの対価として、黒ウサギの身柄を要求した。それを突き返したノーネームは、ルイオスに力勝負を挑む。提示されたゲームのルールに不利を強いられながら、十六夜たちはペルセウスの本拠地へと進撃するのだった。
ノーネームに届いていた一枚の封書。それは北側のコミュニティ「サラマンドラ」が主催する、火龍誕生祭の案内状だった。それを見つけた十六夜たちは、身勝手な書き置きを残し、大祭へ向かってしまう。怒った黒ウサギは髪を紅く逆立て、問題児たちを追いかける!
街中でド派手に暴れまわった十六夜と黒ウサギは、「サラマンドラ」のマンドラから厳しく叱責される。さらにノーネームを疎ましく思う彼は、妹のサンドラへ非礼を働いたと、ジンに剣を突きつけた。一方、飛鳥は“ラッテンフェンガー”と名乗る小さな精霊と仲良くなったのが……。
白夜叉の口より告げられた“予言”……それは、魔王襲来という不吉なものだった。聞き覚えある魔王のコミュニティ名に、一抹の不安を胸に抱く飛鳥。そんな中、創作系のギフトを用いたゲームに参加した耀は、カボチャおばけを従えた「ウィル・オ・ウィスプ」のアーシャと対峙する。
黒い封書と共に現れた災厄は、一瞬で街に混乱と絶望をもたらした。繰り出される強力なギフトの前に苦戦を強いられるノーネーム。だが、提示されたルールを不審に感じた黒ウサギは、審判権限(ジャッジマスター)を発動させ、ゲームを一時中断させる。
危機的状況を打開できないまま、魔王のコミュニティの進軍になすがままのノーネーム。しかし、起死回生の切り札を持った黒ウサギは、一縷の望みを掛けて、十六夜たちに全てを託すことを決意する。