財政難を理由に隣町と合併寸前の町、由芽市。繁栄を見ることなく寂れてしまったこの町では工場の閉鎖が相次ぎ、町の中心地もシャッター商店街と化していた。
由芽市出身の倉坂澪(天海祐希)は日本ではミュージカルスターとして活躍、その後ブロードウェイに渡ったがニューヨークでは全く花開かず、ついにエージェントに次のオーディション予定はないと言い渡されてしまう。そんな折、故郷、由芽市の元恩師、森香奈絵(久野綾希子)から日本に来てほしいとの連絡が入る。大舞台が待っているに違いないと期待に胸ふくらませ澪は日本にやってくる。
由芽市市長の井坂清忠(岸部一徳)は市の合併に向け、シャンソンズの活動拠点でもある町の象徴である練習室を取り壊し、ゴミ処理場を建設しようとしていた。市長の娘、井坂忠子(石田ゆり子)はシャンソンズの復活をめざし香奈絵と共に立ちあがった。彼女は父には内緒で、婿養子で父のいいなりになっている夫の哲郎(小泉孝太郎)には眉をひそめられながらもシャンソンズ復活を目指した。まずは残り少ない現シャンソンズメンバーの馬場みぞれ(大島蓉子)、皆川玉子(菊地美香)らと共に旧メンバー復帰を求めて片っ端から電話をかけるが、一切手応えなし。
追い込まれた忠子らに香奈絵が紹介したのが倉坂澪だった。澪の登場に沸き立つシャンソンズ。しかしたまらないのは澪だった。舞台に立てると思い日本帰国を決意したのにもかかわらず、澪の目の前にいるのは忠子の他、4人の子持ちのみぞれにパチンコ好きの専業主婦、玉子。この人数ではコーラスは無理と、なんとか理由をつけてその場を逃げ出そうとする澪に忠子は、募集告知を出し、オーディションをすると宣言。が、そこに集まったのは、就活53連敗中の内気な女子大生、野々村まひる(大島優子)に美貌の市役所受付嬢、桜井玲奈(片瀬那奈)、元ヤンキーのシングルマザー羽田南(福原美穂)、さらには他の誰よりも女らしい身のこなしのオトメン、高垣忍(千葉雄大)といった面々。ずぶの素人ばかりを前にがく然とする澪。追い打ちをかけるように澪が居候する桜ママ(濱田マリ)の家にはニューヨークから澪の荷物が送られてきていた。行き場を失った澪が向かうところとは・・・!?