永茜高校パーセプションアート学科に入学した月見里和哉は、疎遠になってしまった幼馴染の多岐瀬響と再会する。響と元の友人関係に戻りたいと願う和哉だが、響にはクールにあしらわれ……。 一方、ジェネラルズは、ステアケーサーコンクールに向けた『ペア決め』を行っている。優秀者揃いのステアケーサー候補たち。今年はどんなペアを作る?
ジェネラルズが決めたペアに不満のあるステアケーサー候補が続出? やむなくジェネラルズは、候補生自らにペアの組み直しをさせるべく『パートナー再選考会』を実施する。 一堂に会した一癖も二癖もある6名のアーティストと6名のグレーダー。浮き彫りになる確執、繰り広げられる伝統のアーティストvsグレーダー戦争?! 果たして運命のパートナーは見つかるのか。
晴れてペアとなった和哉と響は、ステアケーサーコンクールに向けてパーセプションアートを制作中。響と一緒に作品作りが出来るのを楽しみにしていた和哉だが、響からのクールかつ容赦のないダメ出しラッシュに、早くも心が挫けそう。
ステアケーサーコンクールの審査会が目前に迫り、グレーダーたちは自分たちの作品をより審査員にアピールするための戦略会議、『キュレーション』で火花を散らす。初めて目の当たりにする響のグレーダーとしての姿に、和哉は――。
純と道臣も巻き込んで、謎のスクリブルアーティスト探しを始めた和哉。 犯人候補として、ステアケーサー候補のひとりだった斑鳩杏寿に接触するが、何やら杏寿の様子がおかしくて……。 杏寿はある出来事をきっかけに、繊細な胃を痛めていたのだった。 果たして杏寿の胃痛の元凶は? 荒ぶる和哉は『ピーマンくん』??
スクリブルを描いた次の犯人候補として、御来屋楓に接触を試みる和哉たち。しかし楓は校内イチ気難しく狂暴な危険人物。優一&康平に協力を仰ぎ突撃するが、果たして生還出来るのか。 一方、桐乃江麻秀は最高潮に不機嫌だった。大手パーセプションアート企業からスカウトを受けたはいいが、先方から思いがけない条件を提示されたのだ。
スクリブルを描いた犯人は灰島伊織なのでは、という情報を得た和哉は、伊織の個展へ赴く。 既にプロとして活躍する伊織のパーセプションアートに圧倒され、掴みどころのない人柄に翻弄されつつも魅了される和哉。しかし響はそれを快く思っていない様子で。 そんな中、個展で披露された伊織の作品を巡りトラブルが発生。主催者たちは事態を収めるべく、当該作品の展示に制限を設けることを伊織に提案するが……。
10年前。まだパーセプションアートが世間で認知されて間もない頃。 和哉の両親である月見里夫妻は、響の父・統梧からの依頼で、永茜高校にパーセプションアート学科が新設されることを記念した作品を制作していた。 しかし、当時の美術界ではパーセプションアートを危険視する考え方が主流であり、此度の件に関しても、何らかの抗議活動が行われるのではと懸念されていた。 そんな中、迎えた作品披露の日……ある出来事が起こる。
謎のスクリブルアーティスト探しのリミットである『支持空間のアップデートの日』まで1ヶ月を切った。しかし、めぼしい犯人候補はおらず、捜索は頭打ち。 そこで和哉たちは、美術界の重鎮である由羅家の情報網を頼るため、由羅拓海に協力を仰ぐ。 それをきっかけに、思いもよらない人物が犯人候補として急浮上!?
響から衝撃的な告白を受け、悩む純。道臣に相談し、響から聞いた話は和哉に黙っていようと決めるが、その会話を和哉は聞いてしまっていて……。 戸惑う和哉の元に、統梧からある依頼が舞い込む。10年前に焼失した和哉の両親の作品が飾られるはずだった場所『色亡き額縁』に、新しいパーセプションアートが飾られることになった。それを和哉に手掛けて欲しいのだという。
思いがけず再浮上した、謎のスクリブルアーティスト=灰島伊織説。 和哉は拓海を伴い、伊織に話を聞きに行く。 伊織の口から語られる2年前の出来事。まだ青く、苛立ちを自制できなかったあの頃、伊織は激しく憤り、静かにそれを爆発させたのだった。
響が永茜キャンパスから姿を消した。 響を探す中で、和哉は自分の胸の内に未だ拭いきれない哀しみ、両親を失った喪失感が潜んでいることを自覚し始める。同じ苦しみを、響はずっと一人で抱えていた。それを知り、冷静さを欠いてゆく和哉。 「ひとりにはさせらんねえ……俺が助けなきゃ……!」