絢爛豪華な婚礼に隠された陰謀! 江戸城・大広間。十三代将軍・徳川家定(北村一輝)と篤子(菅野美穂)との婚礼の儀が執り行なわれようとしている一見豪華にして絢爛な宴の裏には、幕府と薩摩藩とのきな臭い政略が入り交っていた。篤子には将来を誓いあった薩摩藩士・東郷克顕(原田龍二)という許婚がありながら、藩主・島津斉彬(本田博太郎)の命によりこの婚礼を泣く泣く受入れたという経緯があり、家定も婚礼などはお家存続を願う周囲の決めた茶番だとしか考えてはいなかった。 そんな茶番を傍らで複雑な思いで見つめていたのが大奥総取締・瀧山(浅野ゆう子)。瀧山はかつて家定と心を通わし深い関係にあったが、徳川家の将来のためにと身を引き、現在では大奥を仕切ることで陰ながら家定を支えていた。そのためか瀧山の中には、篤子に対する嫉妬と憎悪が芽生えはじめていた。 そんな矢先、篤子が寝室に刃物を持ち込むという事件が起こった。早速、初島(木村多江)を中心とする奥女中たちが、篤子の花嫁道具一式すべてを改め始めた。それは篤子を薩摩藩からの間者と疑う瀧山の指示であり、明らかに嫌がらせであった。 この一件から、篤子の中にも瀧山に対する不信感が芽生える。そんな中、篤子と家定にようやく心を許せる相手が現れた。篤子には故郷薩摩から遣わされた雪江(星野真里)という女中が、家定にはお毒味役の松之介(金子貴俊)が、それぞれ二人の側につくことになった。 ある日、家定と篤子の元に紀州徳川家の嫡男・慶福(神木隆之介)が、婚礼の祝賀のために母・おみさ(野際陽子)に伴われて大奥にやって来た
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Taeko Asano | Writer | ||
林徹 | Director |